皆さん、こんにちは!
2024年アメリカ🇺🇸サマーリーグも遂に終盤を迎え、それに伴いサマーリーグを全体を通してのインタビューを各選手に行っていきます。
第5弾はワシントン州フォールシティ市のノースウェストホンカーズでプレーした澤田龍京選手(内野手)です!
- アメリカでの野球はどうでしたか?
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アメリカでの野球経験は、非常に挑戦的でありながらも充実したものでした。個人成績に関しては打撃面も含め、チームに大きく貢献できた自負があります。特にワールドシリーズがかかったFishstick戦が印象的です。緊張感の中でも自分なりに野球を楽しみ、存在感を出せたことは自信にもつながりました。日本とは三振に対する評価が少し違い、凡打も三振もアウトであることに変わりはない、2ストライク後も思い切って際どい球は見逃して良い、といった風潮が自分はすごく好きでした。結果、当てにいった打球は減り、それが打率、長打率に繋がったのかなと思います。
また、ピッチャーのモーションが大きい点、二遊間のケアが甘い点に関して、ここは日本の方が水準が高いと感じました。その結果盗塁数にも繋がったのかなと思います。チーム成績としても26勝と好調でした。惜しくもワールドシリーズには届きませんでしたが、最後まで可能性を残して緊張感の中戦えたのはすごくありがたかったです。チームメイトとの連携に関しても、なんとか助けてもらいながらパフォーマンスを維持できました。前回も言及した通り、アメリカの野球は日本と比較して非常にフィジカルな面が強調されており、体の大きくない自分は圧倒されたことも何回かありました。しかし、繊細な部分や組織的な野球を経た日本人だからこそできる役割も確かにあり、徐々に適応しつつ存在感を示すことができたんじゃないかと思います。
- 野球以外の生活はどうでしたか?
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野球以外の生活も非常に充実していました。アメリカの文化や生活様式に触れることで、多くのことを学びました。やはり言語の壁は大きいと感じることはあり、約1年過ごした今でも苦労することは多々あります。しかし日々の生活やチームメイトとの交流など、アメリカの良さを満喫できるほどには慣れることができました。ルームメイトのおかげで観光も楽しむことができ、とても感謝しています。バンクーバーダウンタウンの治安の悪さ、ホストファミリーとの釣り、シアトルマリナーズの試合観戦などが印象的です。ホストファミリーの子供たちはやんちゃで可愛く、庭でのアメフトや野球だったり、筋トレやテレビゲームなど、一緒に過ごした時間はとても楽しかったです。
- サマーリーグで成長したことは?
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サマーリーグを通じて、精神面の成長を特に実感しています。野球の技術面でも、と言いたいところですが、正直練習はほとんどなく、技術が成長する余地はあまり無かったように思います。それよりも連戦に向けた体のケアや、調子が悪い時の切り替えなど、根本的な部分が強くなったと感じます。攻守双方で良い成績を残せた点も、試合を通しての成長もほとんどが精神的な面が大きく影響していたと思います。まず第一に日本から来たお客さんではなく、いちチームメイトとして受け入れてもらい、チームに馴染むためには平均であってはならない、存在感を出すべきだと感じ、貪欲に自分のパフォーマンスを求めるグリッドな部分はかなり成長しました。
また、多様なバックグラウンドを持つ選手たちと交流することで視野も広がり、それを通じて多様な価値観を受け入れる柔軟性や、国際的な感覚も間違いなく成長したと思います。そして語学面ではカリフォルニアでの経験もあり、会話に躊躇することがなかったため機会も多く、よりスムーズに会話ができるようになったと思います。拙い英語にも関わらず耳を傾けてくれたチームメイトやコーチの方々には本当に感謝しています。
- 今後の目標について
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日本帰国後は、今回の経験を正しい方向に活かして自分自身の成長はもちろん、周りにも還元できたらなと思っています。野球に関しては一旦区切りをつけて、また新しい道を見つけていくつもりです。就職後しばらくして、大学の友人と草野球で楽しく全国を目指してみるのも違った楽しさがあって面白そうだなと漠然と考えているところです。直近のビジョンとしては、日本語に囲まれる中でも英語力を維持しつつ、将来に向けしっかりと準備していくつもりです。今回の経験を通じて得た経験やスキルを活かせるような職につければ良いかなと思っています。
- これから海外を目指す選手に向けて
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一丁前に言える立場ではないかもしれませんが、経験者として一つ言うなら、「迷ったら、より勇気が要る方に飛び込んでみるとそれが正解だったりする」気がします。謙虚な姿勢が良いとされる日本で育つとどうしても自分より他人の気持ちを優先して自己主張しづらいと思います。気持ちは本当に分かりますが、思っている三倍積極的にいって丁度良いくらいかと思います。
異国の地での生活やプレーはもちろん困難なことばかりだと思いますが、それを乗り越えることで自分自身の視野や新しい価値観が広がり、そこで得られる成長は何よりも良いものだと思います。「よそ者だけどチームに入れてもらう」というより、「新しい文化やスタイルを伝えてあげる、自分がチームに風を起こす」くらいのマインドで行ってきてください。生意気にすみません。
- その他伝えたいこと
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最後に、これで私の野球はひとまず終わりになりますが、約15年間、野球を通じて何にも代え難い貴重な経験ができました。プロを目指して高いレベルを追い続けるといった、野球を競技として極める方向ではありませんでしたが、D1 Baseballや今回のサマーリーグなど、野球をひとつのツールとして、様々な経験をさせていただきました。こういった野球の使い方もあって良いのかなと思います。
今回の挑戦にあたってサポートしていただいた傳崎さん、色川さんをはじめとするアジアンブリーズの皆さん、UCI Baseball,Honkersのコーチ陣やチームメイト、ホストファミリーのみなさん、そして何より両親にはとても感謝しています。良い野球人生でした。本当にありがとうございました。
チーム成績
23試合15勝8敗(澤田選手合流後)
個人成績
打率 | .351 |
打数 | 74 |
安打数 | 26 |
2塁打 | 6 |
3塁打 | 0 |
本塁打 | 0 |
打点 | 16 |
盗塁 | 20 |
三振 | 17 |
四死球 | 9 |
アメリカ大学に1年の短期留学からのサマーリーグ参加、これで現役としてのプレーは終わることを決断した澤田選手。今後もこの経験を活かし、どんどん挑戦を重ね活躍する姿を見てみたいと思います。
引き続き澤田選手への温かいご支援ご声援を宜しくお願い申し上げます❗️
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